羽毛布団の暖かさは別格!羽毛布団の選び方やメンテナンス、おすすめなど
これから寒い時期になりますが、皆さん布団はどんなものを使っていますか?
よく「寝具はケチるな」と言いますが、人生の3分の1は睡眠時間なのでおおむね理に適っています。
私は寝る時に、これまで一般的な綿布団と毛布、寒さに我慢できない時は電気毛布も併用して冬を過ごしていました。
確かに電気毛布を敷いておけば寒さで目が覚めることはないのですが、温度設定を低くしていても寝ている時に汗をかきます。すると、夜中に喉が渇いたり、起床時にスッキリと目覚められないことがよくありました。
そこで数年前に羽毛布団(掛け布団)に変えたのですが、これが本当に暖かくて布団に入る時の安心感がまったく違います。
綿布団と比べると雲泥の差、すぐに実感できる暖かさです。誇張抜きで感動しました。
布団に入ってから体温で布団の中が温まるまでの時間が早いんです。そして1回温まるとその状態を朝まで維持するので寒さで目が覚めることがなくなりました。
質の良いものはお値段もそれなりにしますが、羽毛布団の寿命は高品質なものでおおよそ10年あるので快適な睡眠を得られるならコスパも良いです。
そこで今回は「羽毛布団の選び方」やメンテナンスのことなどを深掘りしていきたいと思います。
目次
羽毛布団の基礎知識
羽毛布団は水鳥の「ダック(アヒル)」や「グース(ガチョウ)」の体毛を使用しています。
ダウンと呼ばれる胸毛(綿のような毛)を布団の生地に詰めて製品化されています。ダウンと言えばダウンジャケットなどでもお馴染みですね。
ダウンボールとも呼ばれており、羽根の軸を持たない綿毛のような羽毛のことを指します。保温性と吸湿性に優れています。
ちなみにダウンは陸鳥にはありません。
洋服でも布団でもこのダウンの使用割合が多いほど暖かいとされています。
また、ダックよりグースのダウンの方が暖かいと言われています。その理由は、ダウンの大きさにあります。
ダウンは大きいほど、空気が取り込まれて「デッドエアー」の割合も大きくなります。
- デッドエアーとは?
- 体温で温められた動かない空気のこと。着衣と肌の間に存在する空気。
小さいダウンより大きいダウンの方がデッドエアーを多く取り込めるので軽くなると言う利点もあります。
よって、ダックのダウンよりグースのダウンの方が大きいので暖かいと言われています。
ダウンを50%以上使用しているものを「羽毛布団」、50%未満のものを「羽根布団」と言います。
布団のタグを見ると「ダウン〇〇% フェザー〇〇%」などのように表記されています。
ダウンの種類
おおまかに分けると3種類のダウンが存在します。
- ダック(アヒル)
- グース(ガチョウ)
- マザーグース(繁殖用に育てられたガチョウの親鳥)
ダック<グース<マザーグースの順にダウンが大きくなります。
ダック | 他の水鳥に比べて体が小さい為、羽毛も小さい。羽毛布団の中では比較的安価。 |
グース | 水鳥の中でも体が大きいので、羽毛も大きい。その分、ダックに比べて保温性もアップしている。ダックの羽毛より高価。長く使える羽毛布団を探しているならグース以上の羽毛を選ぶのが良いとされている。 |
マザーグース | 繁殖用に1年以上育てられた親鳥なので、特に体が大きく、羽毛も大きい。保温性も高く、羽根布団の中では最上級の部類。高価。 |
更に水鳥の種類によっても使われているダウンは異なります。
- アイダーダック
- ホワイトグース
- シルバーグース
など。
羽毛布団の最高峰「アイダーダック」

photo by Tambako The Jaguar
ダックの中でもアイダーダックのダウンは野生の鳥と言うこともあって、希少性や保温性などから最高級とされています。
繁殖期に巣の卵を温める為に母鳥が自ら羽毛を抜いて巣に設置します。雛鳥が巣立ったあとに人間の手によってその羽毛を採取しなければならない為、希少なのです。
中でもアイスランド産のアイダーダックのダウンを使用した羽毛布団は100万円超のものもあります。
ホワイトグース

photo by Tracie Hall
純白色のグース。原産国はポーランドやハンガリーが有名です。
ホワイトグースから採取されたダウンのことを「ホワイトグースダウン」と言います。
ホワイトダウンと表記されているものはホワイトダックとホワイトグースがあるのでよく確認してください。
ポーランドやハンガリーは厳寒な気候の為、その中で寒さに負けないように備わった羽毛が暖かいと言うのは納得できますね。
羽毛布団の中でも軽くて保温性が高く、上質とされています。
シルバーグース

photo by Sid Mosdell
ホワイトグースと比べて薄い灰色の羽毛を持つ有色種。原産国はハンガリーが有名です。
シルバーグースから採取されたダウンのことを「シルバーダウン」と言います。
軽量で保温性が高く、色以外はホワイトダウンと機能性も変わりません。
羽毛自体に薄く色がついているので布団生地から透けて見えると言われています。
しかし、実際には布団カバーを使う人がほとんどなので、気にならない人は充分選択肢になります。
ダウンパワーとは?
では実際にどのような羽毛布団を選べばいいのでしょうか?
そこで判断基準のひとつとなるのが「ダウンパワー」です。
ダウンパワーとは羽毛1gの体積を数値で表したもので、数値が高いほど羽毛自体に弾力があり保温性や吸湿発散性も高くなります。
単位は「dp」で表記されます。
一般的に高級布団とされるのは、おおよそ400dp以上のものになります。
ゴールドラベル
日本製の羽毛布団には、羽毛ふとんの品質推奨ラベルとして「ゴールドラベル」と言うものが日本羽毛製品協同組合から発行されています。
日本羽毛製品協同組合では、ゴールドラベル(品質推奨ラベル)を発行しております。
これは、当組合の品質基準(組成混合率、かさ高性、清浄度など)に合格した最高級の羽毛原料と優良な側生地を使用し、適正な縫製で仕上げられた羽毛ふとんであることを表します。
引用元:日本羽毛製品協同組合
ゴールドラベルには4つのグレードがあります。このグレードは羽毛の品質を知る上での目安になります。日本羽毛製品協同組合 羽毛ふとんの品質推奨ラベル「ゴールドラベル」からラベルを確認できます。
- プレミアムゴールドラベル
- ロイヤルゴールドラベル
- エクセルゴールドラベル
- ニューゴールドラベル
ニューゴールドラベル < エクセルゴールドラベル < ロイヤルゴールドラベル < プレミアムゴールドラベルの順にグレードが高くなります。
ゴールドラベルが付いていない羽毛布団もたくさんありますが、付いていないからと言って品質が落ちるわけではありません。
あくまで日本羽毛製品協同組合が発行している判断基準の1つです。
羽毛布団を製造しているメーカーによっては自社のラベルを採用している場合もあります。
どちらにせよ、商品説明やメーカーのサイトなどでダウンパワーや品質に関する記載をよく確認しましょう。
羽毛布団のキルト
キルトとは羽毛布団の生地に使われている縫製技術のことです。
キルトは羽毛の片寄りを防ぐものや、ふくらみを維持できるものがあるので羽毛布団を選ぶ上でも重要です。
おおまかに分けると3つのキルトがあります。
- タタキキルト
- 立体キルト
- 2層キルト
タタキキルト
タタキキルトは表生地と裏生地を直接縫い付けています。よって布団に厚みがなくなります。羽毛はふくらむことで空気を取り込み保温性と放湿性を維持するので羽毛布団には不向きと言えます。
立体キルト
立体キルトは表生地と裏生地の間に「マチ」と呼ばれる仕切りが入ります。布団を上から見るとマス目になっています。マチにより羽毛のふくらみを維持するので保温性や放湿性も高くなります。羽毛布団によく使われているキルトです。
2層キルト
2層キルトは表生地と裏生地で異なる縫製を行います。これにより互い違いに縫い目をカバーし熱を逃がさない構造になっています。立体キルトより保温性も高くなりますが、布団自体が重くなります。
羽毛布団の側生地
羽毛布団の側生地には色々な素材が使われています。
- 綿(天然繊維)
- シルク(天然繊維)
- ポリエステル(合成繊維)
- テンセル(再生繊維)
- レーヨン(再生繊維)
一般的に綿が多く使われているものが良いとされていますが、その分高価になります。綿の場合は番手と言って使われている糸の太さで値段も変わってきます。細いほど高価で布団自体も軽くなります。
シルクは一見良さそうに見えますが、糸の経年劣化で側生地からダウンがはみ出すことがあるようです。羽毛布団に関してはポピュラーとは言えません。
ポリエステルを使用する一番の理由はコスト面ですが、丈夫で切れにくい為、耐久性があり肌触りもいいです。デメリットとして「蒸れる」と言われています。しかし昨今の技術進歩により、上質なポリエルテルは蒸れないようです。
リヨセル(テンセル)は保湿性・吸湿性・速乾性が高いと言われています。基本的にリヨセル100%のものはなく、ポリエステルやレーヨンと一緒に使われています。布団のタグを見ると「リヨセル〇〇% レーヨン〇〇%」のように表記されています。
レーヨンは柔らかく光沢感があり、吸湿性が高く、肌触りが良いと言う特徴があります。リヨセルと一緒に使われていたりします。
羽毛布団のメンテナンス
羽毛布団は頻繁に干さなくても大丈夫です。
月に1~2回天日干しをします。片面1時間くらい干しておけば充分です。
側面生地の劣化を抑えたい場合は、紫外線を避けた方がいいため、日陰で風通しのいい場所に干します。日陰でも風に当たっていれば湿気は取れます。
汚れが気になる場合は洗濯も可能ですが、しっかりと乾燥しないとカビの原因になります。自分でするよりは専門の業者に頼んでクリーニングしてもらう方が無難です。※羽毛布団の中には「クリーニングをなるべく避けてください」と注意書きされている商品もあります。布団に付いているタグをよく確認しましょう
シーズンが過ぎたあとに収納する時は、圧縮袋などを避けてできるだけ羽毛に圧力がかからない状態で収納します。
羽毛布団の寿命
グレードの高いものは約10年と言われています。
羽毛布団を長く使いたい場合は、しっかりとメンテナンスを行い、なるべく羽毛に圧力がかからない状態を意識しながら使います。
毎朝、起きた時に布団がぐちゃぐちゃになっている場合は、きちんと広げた状態にする癖をつけた方がいいです。※なるべく羽毛に圧がかからない状態にする。
おすすめの羽毛布団
これまで説明した羽毛布団の特徴から、長く使える条件の目安として、
- ホワイトグース、もしくはマザーグースのダウンが使われている
- ダウンパワーは400dp以上
- ゴールドラベルは「ロイヤルゴールドラベル」以上
- 立体キルト、もしくは2層キルト
- 側生地は資金と相談
が長く使える羽毛布団の条件と言ってもいいでしょう。すべての条件を満たしたいかどうかは資金面と相談して検討してみてください。
国内でも有名な昭和西川の公式オンラインショップとAmazonでおすすめの羽毛布団をざっと表にしました。
※ホワイトダックが使われているもので、ダウンパワーが400dp以上かつ7年保証のある羽毛布団もリストしています。
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まとめ
羽毛布団は当然ながら高品質のものは価格も高くなります。
そうは言っても布団の中で寒さに震えながら眠るのも嫌ですよね。
羽毛布団の暖かさはハッキリ言って別格です。綿布団と比べるとその違いはハッキリと分かるはずです。
ちなみに私が使用しているものはポーランド産ホワイトグース90%のものです。ダウンの中では高品質なので本当に暖かいです。
グレードにもよりますが、一時的な出費は高くついても快適に冬を過ごせるなら奮発するのもアリだと思います。
メンテンナンスをしながら長く使いたいものですね。